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グルメレポート 五郎

 上方落語の「時うどん」では実際にうどんを食べているかのように模写する見せ場があります。唇をとんがらかせ、ズルズルッと吸い込み、口の中いっぱいになった麺をモグモグとかみ、つゆとともに一気に飲み下す。今年5月、錦糸町南口にオープンした「純手打ち讃岐うどん 五郎」で食べるたび、少し噺家になった気分でいつもおいしくいただいています。
 こちらのお店は「気軽に本格的なうどんを!」――まさにこの一語に尽きます。水は「まぼろしの酒 嘉泉」の仕込み水でもある秩父奥多摩伏流水、粉は香川県産、だしは伊吹島産いりこを使用するなど、シンプルな食べ物だからこそのこだわりがおいしさの源になっています。
 取材した日は「あつあつうどん(小)」(350円)(写真左)と「ぶっかけうどん(小)」(350円)(写真右)、さらに鳥かわと卵の天ぷら(各100円)をいだだきました。麺とつゆはそれぞれ「あつ(熱)」と「ひや(冷)」の組み合わせから選ぶことが出来ます。「あつあつ」とは麺とつゆが熱いもので讃岐うどんの定番ともいえる一品。キラキラと輝くつるシコの麺と、スーッと鼻に抜ける良質なだしの効いたつゆが絶品です。また「ぶっかけ」は、「しょうゆうどん」とともに麺そのものの風味と歯ごたえを楽しむことができます。
 もうひとつの自慢、天ぷらは日替わりで5、6種類から選べます。混雑時以外は揚げ立てが提供され、鳥かわは皮のパリパリ感と柔らかい身、卵はフワフワの白身とトロンとした黄身が麺を引き立ててくれます。
 生まれも育ちも錦糸町の店主は「お客様に楽しんでもらうため、いつも真剣勝負」と言います。「こんちはー」と戸を開けるのが似合う清潔な店内では、うどんを打つ音が響きわたり、すがすがしい気分になる素敵なお店です。

●純手打ち讃岐うどん五郎 墨田区江東橋1の13の1電話3631・2866。午前11時~午後3時。土曜定休