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グルメレポート 「久野」の刺し身

駅前のマンション1階にある店舗

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グルメレポート

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「久野」の刺し身

カウンター8席の店内

カウンター8席の店内

久野の刺し身

久野の刺し身

                

 

江戸川区平井在住

 吉田誠一さん(70)

 

   その店はJR総武線平井駅南口前、21階建ての「ビューネタワー平井」の1階、南側にある。カウンター8席の隠れ家的、美酒・美食の店である。店主の久野恭敬さんは学生時代ヨット部に属したスポーツマンでもある。卒業後、ビジネスマンから、すし店、和風料理店を経て9年前に、縁あって平井に「酒肴の店 久野」を開業した。店名の書体、メニューの文字は、書道家である義父の作である。

 刺し身・焼き物・煮物・揚げ物、コース料理からふぐ料理まで、スピーディーに調理するさまは、さすがヨットマン。セールさばきのごとく包丁さばきも見事である。小さいけれど温かみのある店内、カウンター越しに接していると、「久野劇場」の舞台かとも思える。

   出し物、どれも「うまい」。「新鮮な肴(さかな)を提供するだけ」と謙遜するが、「うまい」の一語に尽きる。この日も、「命の水」でのどを潤した後、中とろ、ヒラメ、赤貝を注文する(1500円)。「久野の刺し身」。口に含んだ瞬間、新鮮さが広がる。料理人泣かせが刺し身だと思う。なにせ、煮たり、焼いたりしないのだから、料理人の五感で決まる。

   おあとは、白子ポン酢(700円)。シシャモ(1本250円)。カキフライ(800円)。締めは、たらこ茶づけ(600円)。 店内にはいつもジャズが流れている。一見ミスマッチのようであるが、逆に都会を感じる。

   この日二杯目の「命の水」を一口含んだ時、昔、よく聴いていた、カーティス・フラー1965年アルバムの「ファイブ・スポット・アフターダーク」が流れてきた。「久野」というステージで、美酒・美食・美音の三重奏は、まさに「限りある人生を謳歌(おうか)する」にふさわしい宵、酔いだった。

   ●「和食 ふぐ料理 久野」 江戸川区平井3の30の2 ビューネタワー平井℡5626・5608、午後5時~11時。火・木曜のみ午前11時30分から「久野ランチ」あり。日曜、祝日定休。