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カチクラでモノマチ

 装飾品や革製品、ファッション雑貨などの産業が盛んな、台東区南部で5月24日~26日の3日間、「街」と「ものづくり」の魅力に触れるイベント「モノマチ」(台東モノづくりのマチづくり実行委員会主催)が開催された。
 会場は、御徒町、蔵前、浅草橋を結ぶ約2キロ四方の「徒蔵(カチクラ)」と呼ばれる地域。3年目を迎える今年は、ものづくり系の企業やショップ、職人、クリエイターなど、昨年の220組を大幅に上回る約400組が参加した。
 来場者は、参加店やイベント内容が掲載された「徒蔵マップ」を手に域内をめぐり、職人やデザイナーと直接対話しながら商品を購入、ワークショップや職人の実演などでものづくりの魅力に触れた。
 また、「ヒューリック浅草橋ビル」(同区浅草橋)と、ものづくりをテーマとした店舗が集まる施設「2k540」(同区上野)では、地元以外からの96組による「モノづくり市」と、東日本大震災で被災した地域のものづくりを応援する震災復興マーケットが開かれた。
 江東区から母親と一緒に買い物に来た濱田結実さん(27)は、「作っている人の生の声を聴くことで、より一層(購入したものを)大切にしようと思いました」と笑顔。また、田中箔押所(同区小島)で箔押(はくおし)を体験した、調布市から来た山岸律子さんは、「今までどうやっているのか考えたこともなかったので、体験してみておもしろかったし、勉強になりました」と職人とのふれあいを楽しんでいた。
 田中箔押所の田中一夫社長は、モノマチについて「いいと思います。若い人たちが活動を広げる中で、地場で活動する職人ともよりよい関係が築ければ」と話していた。
 モノマチの拠点のひとつとなった「台東デザイナーズビレッジ」(同区小島、鈴木淳村長)では、入居デザイナー19組がアトリエを公開し、製品を販売。買い手が質問する姿が多く見られ、デザイナーからは、「量産じゃないものを好む人たちが多いので、みんなきちんと見てくれます」という声も。
 ほかに「浅草ものづくり工房」からの出店、日本航空の整備士による展示や、エンジンブレードでキーホルダーを作るワークショップなども行われた。
 同施設は、ファッション雑貨関連のデザイナーの創業支援施設として同区が2004年に設立。翌05年から、入居デザイナーのお披露目を兼ねて春と秋の年2回、施設の公開を始めた。近くで店を構える卒業生や、近隣のものづくり系企業にも声をかけ、11年から「モノマチ」が開催されるようになった。今年はイベントを支えるボランティアも150人にのぼり、業種を超えて知り合うことで、終了後に新たな仕事を生むことも多いという。
 鈴木村長は、「参加者それぞれがものづくりの魅力を発信しようと企画を考えています。世代や業種を超えていっしょに活動することは、お互いにとって刺激になる」。来場者が工房などを見学・体験することで、「普段表に顔が出ない職人のすごさも感じてもらえる。『よい物を買うなら日本の徒蔵に行こう』と世界からも注目されるまちになれば」と話す。
 また、この3日間は浅草地域でも、靴や皮革関連など150組が参加したものづくりイベント「A‐ROUND(エーラウンド)」(同運営事務局・モノステージ実行委員会主催)が開催された。