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オーケストラ「ブロッサム・フィル」が3・11公演に被災者無料招待

 「街なかに事務所があるオーケストラはうちぐらいかなと思います」。ブロッサム・フィルハーモニック・オーケストラは、2008年4月に設立された江東区が拠点のプロのオーケストラ。同フィルの公演を主催する「株式会社ブロッサム音楽事務所」は、昨年1月に同区新大橋から新小名木川水門近くの同区清澄に移転した。地域に根ざした個性的な活動の根底には「クラシックを身近に」との思いがある。
 同フィル音楽監督・常任指揮者で同社社長の西谷亮さん(36)は、プロ活動前はサラリーマン経験もあり、「ずっと聴いてきた立場なのでお客さんの視点に立って活動したい」と話す。企画運営担当は妻の望さん(37)。
 事務所内のスタジオ(24席)では、毎月最終日曜日にプロの演奏を間近で楽しむ「ティータイムコンサート」を開催。飲み物と菓子付きで900円(小学生500円)と安く、次回2月26日で38回を数える。奇数月には子供がスタッフ体験し、300円分の券が〝お給金〟でもらえる「キッズプログラム」(800円)も。
 また、弦楽四重奏による年4回の「季節の音楽会」は、2月11日に第4回を開催(2000円)。毎月第3金、土曜はBGMで音楽家を特集するカフェとなり、各種音楽書籍も読める。2月17、18日はバッハ特集。500円。
 一方、70人規模となるオーケストラの定期演奏会はティアラこうとう(同区住吉)で開催。昨年9月の第6回公演では、観客が演奏会の体験を俳句で詠む「深川クラシッ句」も実施。子供の絵や作文など演奏会に関わる作品は随時募集し、刊行物で紹介している。
 そのほか、音楽教室や音楽家派遣、音楽雑貨販売、ピアノ調律見学会、マタニティーコンサートなどクラシックの裾野を広げる活動を展開中。「小学生の時に初めて聴いたオーケストラに衝撃を受けた」西谷さんは、特に子供たちにクラシックと出会う機会を作りたいそうで、「同じ思いしてくれたら」と笑顔で語る。
 そして、目前に迫るフルオーケストラでの演奏会が3月11日のチャリティーコンサート「『音楽の花束』で東北を支えよう」。東日本大震災の被災者や同区内小中学生を無料招待するほか、募金箱の設置や収益の一部寄付も行う。会場はティアラこうとうだが、3月3日には西谷さんによる講演「大人の音楽の時間 公演直前特別編」(1000円)を清澄の同スタジオで開き、8日には森下文化センター(同区森下)でチケット購入者対象に「無料公開リハーサル」も行う。西谷さんは今後も地元江東区に根付いた活動を続けたいという。
 11日の曲目は、ドボルザーク「交響曲第9番ホ短調『新世界より』」、メンデルスゾーン「バイオリン協奏曲ホ短調」(独奏=宮川正雪)、バッハ「シャコンヌ(弦楽合奏版)」。午後2時開演(1時30分からロビーコンサート、同45分からプレトークあり)。4000円(65歳以上300円、高校生以下1500円、江東区在住在勤者3500円)。問い合わせは同事務所(江東区清澄2の12の4、電話5621・2636)。