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インドカレーで東北支援32回

 東北支援32回――。5月27日に宮城県気仙沼市で行われた市民マラソン大会「気仙沼大島ランフェスタ」で、インドカレーの炊き出しをした江戸川区西葛西在住のインド人マノジ・クマル・デワンさん(43)。東日本大震災発生直後の昨年3月26日から10月まで毎週日曜、宮城県亘理町を中心に同県石巻市などでインドカレーの炊き出しをしてきた。
 「テレビで見ていたら、被災者には食べ物も水も住む家もない。こんな大変なことが起きている。自分たちに何か手伝えることがあったら」と、インド人の仲間に呼びかけた。
 葛西地区には約2600人のインド人が住み、日本全体に住む約2万3000人の1割強に相当する。この呼びかけに多くのインド人仲間が賛同し、米や野菜の代金を払う人、現地でのボランティアに参加する人など、同区在住者はもとより江東区など近隣区、甲府市からの参加者もいた。
 準備は土曜夜、マノジさんの江戸川区船堀のインド料理「ゴヴィンダス」で行われる。店の終了後、1000~1500食分のインドカレーやサフランライスなどを仕込み、日曜早朝から30人前後が支援に駆けつけた。毎週休みなく。初めはインド人だけだったが、途中から日本人も加わるようになった。
 本場のインドカレーは辛いと思われているが、現地の避難所で炊き出しをすると「カレーが来た!」と大勢の被災者が訪れ、「おいしい」と笑顔を見せてくれた。7歳ほどの男の子が来たとき、マノジさんは「辛いと感じるのでは」と心配したが、「おいしい」と笑顔を見せてくれた。マノジさんは「役に立てている」とうれしかった。
 1つの皿に2種類のカレーとサフランライス、サラダの盛り合わせをのせる。残ったら、弁当箱などを持参している被災者に分けようと思っていたが、並ぶ人だけでいつも〝完売〟。これまでに3万食以上を無料で炊き出ししてきた。
 支援活動の後、マノジさんは月曜午前1時から2時ごろに自宅にたどり着く。体は疲れ切っていたが、高速道路を長時間運転していても、少年たちの笑顔を思い浮かべると疲れが消えた。「日本人もインド人も同じ。大変な人がいたら何かお手伝いしたい。32回は終わりでなく、これからも続けます」。
 「気仙沼大島ランフェスタ」には、妻プージャさん、長男アビヒさん(15)、長女ジャンビさん(10)、同料理店スタッフのテグ・シングさんの5人と江戸川、江東区のインド人ボランティア5人、それに石巻市出身の加藤利之さん(春犬ミュージック代表)の11人で向かった。
 マラソン主催者からの提案で今回初めて500円の有料にした。市民マラソンでは、被災者だけでなく全国からの参加者もいるので、誰が食べても全売り上げを被災地に寄付するためだった。それでも100円玉を手に訪れた子供たちには無料にし、1200食ほどのうち「販売したのは250食ほどで、残りの1000食ほどは無料でした」。
 次回33回目の支援も遠からず行う予定。