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アカエイを食べてみた 駆除対策に食用普及めざし試食会

 東京湾に数多く生息するが、漁獲対象ではなく市場に出回ることの少ないアカエイ。尾に毒針を持つため危険生物としても知られるこのアカエイを、食用として普及させて駆除対策に役立てないかと、葛西臨海公園内にある西なぎさの海水浴場復活をめざして活動する認定NPO法人「ふるさと東京を考える実行委員会」(江戸川区中葛西、関口雄三理事長)のメンバーが、9月17日にアカエイの試食会を実施した。
 アカエイは、西日本では郷土料理として食されている地域があり、北海道や東北では「カスベ」と呼ばれるガンギエイが食材として流通している。可食部が多く、エラと頭部以外は全て食べることができ、薄い紅色の身は淡白で煮付けなどに向いており、かつては東京でも食用に供されていた。
 ふるさと東京を考える実行委員会によると、アカエイは張られた遮断用の網の破れ目から同公園の西なぎさにも入ってくることがあり、安全な遊泳環境を実現する上では対策が必要とされている。現在は未利用魚のアカエイの食用価値を広め、漁獲対象にすることで数を減らせないかという構想から、プロの料理人が調理したアカエイを食べる試みが企画された。
 この日は、数日前に西なぎさの水域で捕獲した3匹のアカエイが西なぎさのバーベキューエリアに集う実行委員会の関係者のもとに運ばれた。調理を担当した上田勝彦さん(水産庁増殖推進部研究指導課情報技術企画官、「Re―Fish」代表)が、海水を入れた容器で泳いでいるアカエイをさばき、下処理を施していく。サメ・エイ類は死ぬと体内の浸透圧調整のために血中に蓄えた尿素が分解してアンモニアを発生するため、臭みを残さないために徹底した血抜きが必要になる。上田さんは、金タワシでぬめりを取る作業を続けながら「こうした下処理の面倒さも流通に乗りにくい理由の一つ」と語った。
 その後、銀座で割烹(かつぽう)を経営する北山智映さんも調理に加わり、ヒレの両側は刺し身に、「どんがら」と呼ぶアラの部分から煮付けやいため物3品を作った。刺し身はコチュジャンだれを絡めた〝韓国風〟にしたが、しょうゆとの相性も悪くない。好評だったのはニンニクとオリーブオイルでいためた〝イタリアン風〟で、白身の弾力感にニンニクの香ばしさが絡んで絶品。
 試食した町田麻友美さん(26)(同区北小岩)は「刺し身は軟骨も食べられ、コリコリした食感が面白かった。煮物は身が溶けてしまうぐらい軟らかい。おいしかった」と話した。