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ぼくんちがロボットクラブ

 ロボットの好きな子、うちにおいで! 江戸川区立第四葛西小学校(江戸川区中葛西、山口祐一校長、796人)に通う5年生の宮本映児君(10)は、ロボット工作の面白さを同世代の子と分かち合いたいと、2月から同区東葛西の自宅で「ロボットクラブ」を立ち上げ、同級生や知人を誘いながら定期的に活動している。
 家の前の駐車場に敷かれたビニールシートの上で、数人の小学生が、紙コップにモーターを貼り付けて動くおもちゃ作りに取り組む。3月25日の同クラブの活動テーマは、「紙コップロボ」の制作だ。クラブを取り仕切る宮本君が、黒板に回路図を書いて説明したり、難しい工程を手伝ったりと、子供たちの間を忙しく動き回る。
 そんな宮本君は、ロボット工作に情熱を注ぐ小学生。自宅で紙やスチロール材など様々な素材と動力を組み合わせて数多くの作品を創作し、「将来はアンドロイドを作りたい」と、まずは“手”の動きを再現する工作に着手している。
 宮本君がロボット工作に関心を抱いたきっかけは、3年の理科の授業で磁石の学習にモーターが登場した時だ。「勉強があまり得意ではなかった」という宮本君だが、この単元では少しでも追いつきたいと、予習して臨んだところ「クラスで一人だけできた」ことが励みとなった。この時の教材で「震動ロボット」を制作した。
 本格的な電子工作には、昨年の春休みに秋葉原で開催されたロボット作りの体験教室で出会い、その面白さに夢中になった。イベントを主催した「リバネス ロボティクス研究所」(新宿区)が運営する子供向けのロボット教室に通い、1年間かけて工作キットの組み立てから応用まで経験した。ロボット開発にかかわる社会人の知り合いもできた。
 母親の朝子さん(38)によると、「何かに興味を示すことがほとんどなく友達も少なくて家では『暇だ、暇だ』と言っていた」宮本君だが、夢中になれるものを見つけてからは驚くほど積極的になった。ロボットクラブ創設を訴えるレポートを先生らに提出し、同級生らの署名を集めて“運動”を展開したのもその一つだ。担任だけでなく校長先生に直談判したことを知った朝子さんは、思わず頭を抱えたという。
 宮本君の熱意は学校側に伝わったが、ロボットに特化したクラブの創設は人員・設備面で難しく見送られた。ただ、「『ロボットが好き』と近づいてきてくれた時はとてもうれしかった」と、当時の名古屋眞智子校長は明かす。
 こうした経緯で自宅を使っての「ロボットクラブ」が始動した。家の前に手書きで看板を出し、学校や野球クラブでは宮本君自ら参加を呼びかける。25日に参加した永井隼人君(11)は、同じ野球クラブに所属する。「自転車で宮本君の家の前を通ると、何かやっていて楽しそうだなと思っていた」と語り、モーターの回転で走るロボットが完成すると走り具合を調整しながら、競走を楽しんでいた。
 「自分ひとりで盛り上がっていたので、友達を作りたくてロボットクラブを始めた。意外な人がロボットを好きだった」と宮本君。いつか仲間を見つけてロボットの共同開発に取り組む日が来るかもしれない。