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すみだ産業会館にレザースタジアム

 “メード・イン・ジャパン”を支える墨田区の皮革産業について、多くの人に知ってもらいたいと、「革のまちすみだ会」が、すみだ産業会館(墨田区江東橋、丸井錦糸町店8・9階)に「レザースタジアム」を開設した。10月4日に、こけら落としのイベントを行う。
 墨田区の皮革産業は、豚皮を革製品に使えるように加工するピッグスキンなめしの分野で国内生産の9割を占める。しかし、この数十年で高齢化や海外生産の増加などにより区内の皮革関連の事業者は全盛期のほぼ1割、約10社に減った。廃業した工場の跡地が宅地化されると、現在も稼働する工場に対して新たに越してきた住民が騒音や異臭の苦情を寄せる、といった問題も生じている。
 「革のまちすみだ会」は、こうした地域的課題の解決を目的として2010年に結成した地元住民や学校関係者などの集まりが前身となり、同業者の枠を超えて外部に向けた情報発信に力を入れている。代表を務める山口産業株式会社(墨田区東墨田)専務の山口明宏さん(46)は、徹底したコスト削減、社内体制の変革で会社の生き残りを図る一方、環境基準に適合した製品づくりをめざして父・宗利さんが開発した植物タンニンを使った独自のなめし技術で「日本エコレザー基準」第1号の認定を取得した。国内大手ブランドの革製品用の素材も手がける。
 「産業の重要性も世界に通用する技術も知られないまま国内で従事する人が減り、縮小していくのを食い止めたい」という思いの中で、異業種のメンバーによる「すみだ会」を立ち上げた。工場見学ツアーを定期的に開いて小学生、ビジネス関係者などに現場を見てもらうほか、手間のかかる野生獣皮のなめし加工を請け負い、産地での資源活用を後押しするといったユニークな活動も行っている。
 「レザースタジアム」は、すみだ産業会館8階に設けられた催事や企画展示用の空間で、「すみだ会」が皮革を中心とした区内産業にかかわる企画に貸し出す。使用料は基本的に無償(設営費など1催事で3万円は必要)だが、同会館や中小企業センター、繊維・ファッション業界関係者などで構成するイベントの「招致委員会」が、持ち込まれた企画を審査して趣旨に沿った内容を選んでいくのが特徴だ。10月5日から14日までは、イノシシの皮の端切れに光を当てて作ったオブジェなどの〝革アート〟を展示する。4日はオープニングイベントとして、“革アート”の先行展示、ジャズ演奏、デザイナーの製品・試作品のPRなどを実施する(入場無料、アルコール・飲食は実費)。
 問い合わせは、すみだ産業会館TEL3635・4351。