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すみだ中小企業センターが来年3月に閉館

すみだ中小企業センターが来年3月に閉館

  これで大学誘致に弾みつく?

 

墨田区が30年前に全国に先駆けて開設した産業支援施設「すみだ中小企業センター」(墨田区文花)が来年3月末で閉館する。11月5、6日には同センターで最後の「すみだものづくりフェア」が開かれた。三回定例会で「すみだ中小企業センター条例を廃止する条例」が可決された。

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すみだ中小企業センター

すみだ中小企業センターは、製造業が区内産業の中心を占めていた1980年代に登場し、中小零細企業で働く技術者の技術向上や経営面でのサポートを続けてきた。全国初の「中小企業振興基本条例」制定(1979年)を機に墨田区が次々と打ち出していった産業振興施策の一つとして86年に開設された。工作機械や検査機器の開放利用、専門性の高い相談員からアドバイスを受けられるなど、区内に多かった家内工業の事業者などにとって貴重な情報源や頼れる相談先だった。また施設はホールや運動場、調理室などを備え、2013年4月にひきふね図書館に統合されるまではあずま図書館も入っていた。

しかし、近年の産業構造の変化で区内の製造業は減り、サービス業や小売業との比率が逆転するなかで中小企業支援について13年ごろから再検討の動きが始まった。14年には墨田区産業振興会議が、区内の3つの産業支援施設のうち中小企業センターは抜本的な見直しが必要、と報告した。区内製造業者約150社へのヒアリングや墨田区産業人懇談会での意見聴取などが15年度中に行われ、今年3月、閉館が決まった。9月30日に閉会した墨田区議会第三回定例会での「すみだ中小企業センター条例を廃止する条例」の可決で正式決定となった。

これまで同センターで利用できたサービスのうち相談事業は、区役所(墨田区吾妻橋)1階に拠点を移し、総合的なビジネス相談として外部委託で対応する。また、利用実績の高かった測定・試験機器は区役所地下1階にスペースを設ける。工作機械については江東区青海や葛飾区青戸などにある都立産業技術研究センターの設備の利用を促す。

同センターの閉館は、墨田区が進める大学誘致とも無関係ではない。誘致条件に、候補地(旧西吾嬬小・旧曳舟中跡地)に隣接する同センターの建物・敷地の利用を含めることで関心を示す大学も出てきているようだ。11年から始めた誘致活動だけに区としては何とかこれを成功させたいところだろう。