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さよなら「業平橋」

 鉄道やバスのダイヤ改正時期に合わせて、墨田区内では3月、東京スカイツリー開業に伴う遠方からの来訪者の利用を見越した交通機関の駅名変更などが行われた。沿線地域住民が利用者の大半だった交通機関に、観光客を視野に入れた要素を加えたことで、鉄道駅やバス停留所の新名称を通して沿線にも意外な明暗が生まれそうだ。

惜しむ声も多く
 3月17日午前0時31分、下り最終電車が出発すると、東武伊勢崎線「業平橋」駅では新駅名への変更作業が始まった。ホーム上では、新設の駅名標の上に仮貼りされた「なりひらばし」のシールがはがされると、新駅名「とうきょうスカイツリー」の文字が現われ、別の標示板は作業員が白無地のパネルを新駅名のものと取り替えた。
 駅構内の路線図や料金表も一新され、午前2時過ぎに駅入り口の「とうきょうスカイツリー駅」の文字盤が紫色に点灯すると同時に、駅名「業平橋」は81年間の役目を終えた。また、都営バスの停留所「業平橋」「業平橋駅前」も「とうきょうスカイツリー」を入れた標示に変更された。
 地元では慣れ親しんだ「業平橋」の名が消えるのを惜しむ声も多く、同日朝に母親や妹と駅名改称記念乗車券を購入した大塚真哉君(10歳、足立区千住)も「(電車とスカイツリーの建設現場に興味があって)何度かこの駅に来ていて『業平橋』という名前が好きだったので、変わると聞いたときは寂しい気がした」と話していた。

「忠臣蔵」の吉良邸跡に止まりま〜す!
 一方、3月20日から運行を開始した墨田区内循環の京成バス「すみだ百景」は、停留所名に神社や史跡名を積極的に取り入れた。
 例えば向島3丁目には「森鴎外住居跡」、業平5丁目に「柳嶋妙見山法性寺入口」、両国4丁目の両国公園付近には「勝海舟生誕之地・吉良邸跡入口」停留所が立つ。「墨田区役所」にも〝おまけ″に「勝海舟像入口」の情報が加わる。
 同区新タワー調整課によると、(駅や施設名以外の)停留所の名称は、設置場所が確定した後、付近の神社仏閣や史跡を調べ、地元での知名度なども考慮して選んだという。「観光で乗車した方が興味を持って、その地を訪れるきっかけになってくれれば」という期待もあるようだ。ひっそり建っていた旧跡が脚光を浴びることになりそうなのもスカイツリーのおかげ?