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かっぱ橋で“道具deアンサンブル”

 普段はたたくと叱られちゃう調理道具をたたき放題のイベント「街の音プロジェクトin合羽橋 道具deアンサンブル」が、10月5、6日、かっぱ橋道具街(台東区西浅草、松が谷)周辺で行われた。
 このイベントは、「台東区芸術文化支援制度」の対象企画のひとつ。プロの音楽家と公募による参加者が、かっぱ橋道具街に並んでいる調理器具を使って音楽をつくり、パレードとコンサートを行った。企画した宇山朋秀さん(30)が「身近な調理道具で子供からお年寄りまでコミュニケーションができたら」と、音楽ユニット「琴鼓’n管(きんこんかん)」のリーダー小林武文さん(41)に声を掛け、道具街の協力の下、開催に至った。
 参加者をサポートした「琴鼓’n管」(小林武文=ドラム、チェジェチョル=チャンゴ、鈴木広志=サックス、上原なな江=マリンバ、相川瞳=ビブラフォン)は、それぞれがオーケストラやバンドなどで活躍。3年ほど前から「琴鼓’n管」としても活動し、うち4人は、NHKで放送されていた「あまちゃん」の音楽を演奏するバンドにも参加している。
 5日、台東区生涯学習センター(同区西浅草)で行われた音づくりのワークショップには、親子連れなど5~53歳の男女22人が参加。冒頭で、東京合羽橋商店街振興組合の奥田晃一副理事長が、合羽橋の名の由来や道具街の歴史などを話し、参加者たちは興味深く聞き入っていた。
 会場には様々な調理道具が用意され、いよいよ音づくりに挑戦。各自が道具をたたいて音を確かめ、気に入った道具を選択。音の硬さを変化させるため、麺棒にテープを巻いたり、菜箸にゴムボールをさしたりしてバチにもひと工夫。道具の出す音の種類や高低、のびなどで役割を整理して一つずつ音を重ね、パレードの足の運びやステップなどにも挑戦した。杉並区から参加した福岡美佳さん(36)は、「すごく楽しい。今日会ったばかりのメンバーなのに、短い時間で息も合いました」と笑顔。コンサートには「あまちゃん」のオープニングテーマ曲が選ばれ、鈴木さんがサックスでメロディーを吹くと子供たちは「知ってる!」と興奮気味。イントロ部分は子供たちがひしゃくを、大人は思い思いの道具を手に自由に音を合わせて楽しんだ。
 3時間半に及ぶワークショップ終了後、小林さんは、「予想以上に面白くなりました」と翌日にも期待の笑顔。参加者からは「始まる前から知らない子同士が一緒に道具をたたいていて、理屈抜きで楽しい。これが音楽の原点じゃないかと思いました」(川喜田研さん=48)などの感想も。
 6日は約800メートルの道具街を練り歩き、前日の練習の成果を披露。コンサートにも大勢の観客が集まり、参加者のほか、「琴鼓’n管」も4曲を演奏。アンコールには見ていたちびっ子たちも飛び入り参加するなど、会場は一体感に包まれた。