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あまり生活には役立たない?けど ユーモア発明品約50点に

 生活の役には立たないけれど笑えれば良し――。そんなユーモアあふれる発明品の数々で、バラエティー番組やお笑い系のライブなどで爆笑を誘っているのが、江戸川区西小岩在住の高橋宏三さん(69)。自身の発明品を町の中で堂々と実験、実演しているその姿には道行く人たちも不思議な視線を送るが、本人は全く意に介していない様子だ。
 岩手県西和賀町出身の高橋さんは「故郷は山奥で何もない所。子供の頃の遊び道具は全部自分で作っていたね」。グラブ、ラケット、三味線、スケート靴、そして自転車まで自作したというから驚く。
 そうした下地がある高橋さんが発明を始めたのは20年ほど前。装飾品雑貨の製造卸業を営んでいた頃、「他の業者にまねされて……。特許を勉強して、権利をもらわなければと思った」。
 最初の発明品は野菜の皮むき器具「ピーラー」の新型「ピラリー」。通常の薄むきに加え、裏返して刃の向きを変えると厚むきができ、他の部分でゴボウの渋皮取りやジャガイモの芽が取れる優れもの。通算40万個のヒットとなり、高橋さんはその後も数点の「ピーラー」や栗の皮むき器など、主に調理器具を開発していく。
 現在開発中なのが、チョコレートなどを流し込むとハート型の輪が作れる容器。この容器をふたつ、あらかじめチェーン状につないでおくと、ハートの輪がつながったチョコレートが完成する。高橋さんは「秋ぐらいから販売して、来年のバレンタインデーに間に合えば」。
 一方、ユーモア発明では、18年ほど前にテレビバラエティー「発明将軍ダウンタウン」(日本テレビ)に12回も出演。一人で湿布を背中に貼れるベルト状の発明品「背な貼り」を実演する姿が踊るように見えたことから、「踊る発明家」と命名され、爆笑を誘った。
 ユーモア発明品の考案は実用品の発明の合間の息抜きだが、「こっちの方が楽しくなっちゃって」、今では約50点にもなった。テレビには通算140回ほど出たそうで、この8月19日にも「モヤモヤさまぁ~ず2」(テレビ東京)に出演したばかり。
 高橋さんの著書「笑爆発明」(2005年刊)は、増刷を経て計1万5000部発行。栃木県小山市で開かれる第6回「全日本笑爆発明展」(9月29、30日)では審査員を務める予定。そのほか、自作のコミックソングを歌うライブ、CD制作、絵本制作と、マルチに活動中。木製の刃の自作スケート靴による雪山滑走物語など、少年期の爆笑体験をまとめた本の発刊準備も順調で、今後も人々に笑いを届けてくれそうだ。