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〝子供目線〟で危険な場所再発見 葛飾区の独自の取り組み10年に

 子供に危険な思いをした場所や状況を聞くことで、大人が気づかない〝子供目線〟の危険な場所を見つけ出し、地域の大人が協力して改善する――。葛飾区で保護者や地域住民が協力して取り組んできた「『子どもを犯罪から守る』まちづくり活動」が10周年を迎え、7月21日に活動報告会「10周年記念のつどい」が開かれた。
 活動の方法は、参加する学校の小学4年生以上の児童と中学校の生徒に、3年に1度アンケートを行い、その結果を基にPTAらが「犯罪危険地図」を作製。実際に大人たちがこの地図の地域を歩いて、具体的な計画を練り、自治体や警察などとも連携して改善を進める。2002年度に、小学校6校、中学校3校から始まり、これまでに区内の小中学校73校のうち、52校が取り組んでいる。
 21日の「10周年記念のつどい」は、同区立白鳥小学校(葛飾区白鳥)で、青木克徳葛飾区長らも参加して行われた。青木区長は冒頭、「この活動を通して子供への犯罪件数は確実に減ってきている。これからも区民と行政、事業者が連携して、子供が元気に安全で暮らして行けるよう努力していきたい」と述べた。
 見通しを良くするために生け垣を子供の目線まで下げた公園や、叫び声が響くよう上部に空間を作った公園のトイレなど、具体的な改善事例の紹介や、関係者のインタビューなど、10年間の活動をまとめたビデオを上映。その後、活動に携わってきた人を代表して5人が登壇し、これまでの活動を振り返り、今後につなげるためのパネルフォーラムを行った。
 パネラーの一人で、昨年からこの取り組みに参加した柴原小学校PTAの黒川敏幸会長は、「パトロールなどで、保護者の活動が行き届いていると思っていたが、この取り組みを実行してみると、大人が全く予想していなかった所が危険箇所として上がった」と話し、知らない人に追いかけられた子供の逃げた道をたどると、駆け込めるはずのひまわり110番が何か所もあったという事例もあり、子供たちに認識させてあげることが必要、と改めて感じたという。
 また、活動の協力者で、都市計画のあり方を研究している千葉大学名誉教授の中村攻(おさむ)さんは「地域の関わりは必要ないとする親も増えているが、子供たちが活動するのはその『地域』。体を、頭を動かして、子供たちに安全な環境をつくることが必要」と熱く語った。
 活動の詳細や取り組みの方法などは、中村さんが著書「子どもたちを犯罪から守るまちづくり」(7月15日発売、晶文社刊、1600円)で紹介。9月1日にはウイメンズパル(同区立石)で、この活動に関する中村さんの公開講演会も開かれる。定員100人。午後1時30分から。無料。申し込みは8月24日まで。問い合わせは同区教委生涯学習課電話5654・8475。