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「1500は得意です」 江戸川区拠点の陸上クラブ「清新JAC」

 「1500は得意にしていますね。全国出場した選手もいっぱいいます」と語るのは、小中学生約100人が所属する陸上クラブ「清新JAC(ジヤツク)」の畠中康生代表(54)。江戸川区陸上競技場(江戸川区清新町)を拠点に週4回練習を重ねている同クラブは、特に1500メートル走での実績を誇る。
 広告代理店勤務の畠中さんは高校時代に陸上部に所属、大学時代も出身地の「山形縦断駅伝」に3回出場している。結婚後しばらくして、家族4人が趣味で荒川土手を走るようになった。長男悠希さん(25)が小学5年生のころ、他の2家族ともこの趣味を共有し、親子マラソン大会に度々出場。好成績だったことから、1999年8月から本格的に陸上クラブとしての活動を始めた。
 当初は親子で走りを楽しむ程度だったが、より前向きに競技に臨むようになった転機は、中学1年だった悠希さんが、1500メートル走で都大会2位を含む実績を重ねて関東大会出場を果たしたこと。悠希さんは3年の時には3000メートルで全国大会にも進んだ。
 「隣近所仲間でやっているレベルでどんなものなんだろう」と考えていた畠中さんも、長男の活躍で「俺たちも大会でやれるんじゃないかと思った」。そして、昨年までのクラブの通算実績は、42人が関東大会に出場、「全中」こと「全日本中学校陸上競技選手権大会」には24人、学年別の中学生の大会「ジュニアオリンピック」には19人を送り出した。
 800メートルは瞬発力、3000メートルは持久力が大事だが、1500メートルは「持久力プラススピード、総合的な力が試される競技であり、そこが面白さ」と畠中さん。そうした「走力の勝負」に加え、ポジショニングなどの「戦術の勝負」、最後の力を振り絞る「心の勝負」が必要で「1500はこの3つを全て持っていないと勝てない」。
 特に重要なのがスタート直後のポジショニング。800メートル走の最初の100メートルはセパレートコースが一般的で、比較的緩やかに始まる3000メートルとも違って2番手あたりのベストポジションを狙う戦いは熾烈(しれつ)で「『走る格闘技』ともいわれています」。
 1500メートルで記憶に残る卒業生は多いが、2006年8月の「全中」で優勝して日本一となった山野友也さん、3000メートルでも同大会3位になった大迫傑さんらが所属した時代は特に印象的。山野さんは同年11月には日本中学歴代3位の記録をたたき出した。
 ほかにも、09年にジュニアオリンピックで都の中学新を出した有薗早優さん、11年の関東大会に出場した内野渓さん、鈴木広親さん、中村美咲さん(中村、内野さんは全中も経験)など、1500メートルで好記録を残した選手は多数いる。現在も小室翼さん、山本美帆さんら畠中さんが注目する選手は多い。
 クラブのコーチは、畠中さん親子にOB1人を加えた3人で、「先生ではなく、彼らの保護者的な感覚で接している」。選手たちには、タイムや順位、大会出場などの目標を持つよう勧めており、「その目的が達成されたときが一番うれしい」と畠中さんは楽しそうに話していた。