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「金魚サブレ」21日試験販売 障害者支援6施設が共同開発

 支援施設の福祉作業所で働く障害者の工賃アップや就労機会の拡大をめざして、今年4月から商品開発が進められてきた「金魚サブレ」の試験販売が、10月21日に東京福祉専門学校(江戸川区西葛西)で開かれる「わくわく福祉フェア2012」で始まる。
 「金魚サブレ」の商品化は、「江戸川区経営ネットワーク支援事業」として、共同作業所や就労移行支援・就労継続支援B型事業所など、精神障害者を支援する江戸川区内の6施設が取り組んできた。
 9月末までにワークショップを5回開き、前半は施設を利用する障害者が集まって、サブレのデザインの原案となる金魚の絵をイラスト画や立体で自由に描いてもらい、後半は職員向けの勉強会と並行して商品化に向けて検討を繰り返した。
 同事業のコーディネーターを務めるボーン・クロイドさん(53)(江戸川区中葛西の就労移行支援事務所「natura(ナチュラ)」管理者)によると、今回の商品開発は、施設職員らも顧客の購買心理や包装などで魅力を出す工夫などの〝売れる要素〟を学びながらの挑戦だったという。
 普段の仕事では職員が得る機会のないこうした情報を伝えたのは、「ムイットボン!」(横浜市)代表の上田尚矢さん(37)だ。「ムイットボン!」は、「ワークショップ」形式で、自主製品の販売力に課題を抱える福祉作業所・施設が売れる商品を開発できるようなプログラムを提供している。
 上田さんが関わる横浜市や江戸川区の幾つかの作業所では、障害者自身が配色を決めて作るボタンを使ったアクセサリーや、自動車のエアバッグと美術館の横断幕を再利用したエコバッグ作りなどの制作を通じて工賃アップを実現した。
 今回は、具体的な商品化に入る段階で職員や関係者が勤務終了後の時間を割いて試行錯誤を重ねた。商品の一つに採用された、金魚鉢のサブレに金魚の絵を焼き印にするアイデアは、ワークショップで描かれた絵を原案に近い形で使うことを可能にした、職員の家族から出た妙案だという。
 「こんなに何度も試作を重ねて商品を作ったのは初めての経験で勉強になった」と、開発メンバーの一人で精神保健福祉士の矢内佐知子さん(31)も言う。
 当日21日は、当面の生産拠点となる「元明館」(同区南篠崎町、宮地恵子施設長)の自主製品販売ブース(第3校舎3階)で3種類のサブレを販売する。会場の福祉専門学校の学生や来場者に試食してもらい、人気投票で最終選考する。