top

「深川八幡祭り」4年ぶりの本祭り 11日から

 富岡八幡宮(江東区富岡)の「深川八幡祭り」の本祭りが、4年ぶりに8月11日から15日まで開かれる。3年に1度の本祭りは、本来なら昨年開かれる予定だったが、東日本大震災後の情勢を考慮して延期となった。12日には各町の神輿(みこし)54基による連合渡御が行われる。
 今回の本祭りでは、初日11日の神幸祭で氏子区域を巡行する鳳輦(ほうれん)と並んで、宮司が乗る網代車(あじろぐるま)が61年ぶりに復活する。富岡八幡宮が保有する網代車は1930年(昭和5年)に造られ、鳳輦と共に戦災を免れて52年(昭和27年)の本祭りまで使われていた。
 その後、道路事情の変化で網代車は使われなくなり、牛や人が引いていた鳳輦もトラックに載せて移動するようになった。網代車の渡御は、行程約60キロのうち、出発時の八幡宮前から越中島間と、帰着時の八幡宮周辺で見ることができる。
 神輿54基が連なる12日の神輿連合渡御は本祭りの見所の一つ。富岡八幡宮を出発した神輿は、永代通り、大門通り、深川資料館通りから清洲橋を越えて新川・箱崎(中央区)に入り、永代橋を渡って富岡に戻るまで約8キロを練り歩く。〝水かけ祭り〟としても知られ、神輿を清めるのと汗だくの担ぎ手を冷やすのを兼ねて、トラックの荷台から、あるいは消防ホースを使って水をかける光景が沿道の各所で見られる。
 富岡八幡宮によると、前回2008年の本祭りには約31万人を動員した。また、連合渡御には岩手県平泉町の神輿が、東北の復興祈願と世界遺産登録の祝賀を兼ねて前回に引き続き特別参加する。
 「深川八幡まつり」は、11日の鳳輦渡御が午前8時出発、12日の連合渡御は午前7時30分に先頭の神輿が出発する(いずれも富岡八幡宮前から)。期間中、江戸里神楽や能舞台も行われる。

次回は2年後? 3年後?
地元町会の負担重く

 「富岡八幡宮の御祭神と深川八幡祭り」(松木伸也著、2012年発行)によると、本祭りの開催周期は明治・大正期は2年に1度の時期もあったが、現在の社殿が造営された1956年以降は3年に1度が定着したという。特例は、昭和天皇崩御の1989年(平成元年)で、この年は「陰祭り」として本祭りは翌年に持ち越した。ずれた周期は修正せず、3年後の93年に次の本祭りが開かれている。
 だが、次回の本祭り開催時期は決まっていない。3年に1度の周期に戻すと、同じく3年に1度の近隣の深川神明宮(同区森下)の本祭り(今年は8月17日)と重なり、動員数などに影響を与える可能性がある。
 一方で、2年後に開催するとなると、地元町会にとって祭礼の運営費用の負担が大きい。連合渡御では1基の神輿の参加者が数百人規模となり、担ぎ手への飲食物の差し入れの量も相当なものになる。例えば「深川二丁目北町会」では前回、約660万円支出した。このうち当日約500人分の飲食物代が3分の1近く。神輿の担ぎ手が多い町会では1000万円近くに上るところもあるという。
 こうした資金は地元の人たちの寄付に支えられている。「深川二丁目北町会」の向井眞幸町会長は「今年は何とかなったが、2年後に開くとなると、また来年から寄付を集めなければならない」と言う。祭りにお金の話を出すのは野暮(やぼ)というものだが、先立つものがなければ〝下町の心意気〟を示す伝統行事も成り立たないのも現実だ。
 次の開催時期は9月以降、富岡八幡宮参与会で正式に決まるという。