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「小林雅子基金」を設立

“小さな思い”託されて

「小林雅子基金」を設立

 進学が困難な若者に奨学金を給付

託す相手がいない財産を、自分の死後、誰かの役に立ててほしい――江戸川区東葛西の小林雅子さん(享年81)の遺志をくんで、生前かかわりのあった人たちが基金を設立し、経済的理由で進学が困難な若者への奨学金などに活用されている。

「小林雅子基金」は、2013年8月に亡くなった小林さんの遺言に基づいて遺産の受取人となった税理士の浅野実さん(66)(江戸川区東葛西)が「本人の思いが生きるかたちで活用したい」と、NPO法人「小さな思い」を設立し、運用を始めたものだ。小林さんには夫や子供がなく、20数年来の交流があった浅野さんの妻・たか子さんには「お金は何か役に立つことに使ってもらいたい」と伝えていたという。

「小さな思い」写真・小林雅子-3

小林さん

小林さんは資産家ではなかったが、キャリアウーマンとしての人生で築いた財産はまとまった額になっていた。浅野さんはたか子さんと話し合い、「大きな組織に寄付すれば1回の感謝状で終わってしまう。もっと本人の思いが伝わるかたちで生かす方法がないか」と検討した。同時に小林さんのように後世に自分の遺したものを託す親族のいない人の思いを預かり、伝え広げていく受け皿の必要性から組織化も決めた。「小さな思い」は、趣旨に賛同する同業者や友人が会員となり、資金は直接の事業費以外には使わないという理念のもと手弁当で運営する。

浅野たか子さん(左)と実さん

浅野たか子さん(左)と実さん

基金の柱の一つである奨学金事業は、公的支援が薄くなる18歳以上の経済的に恵まれない進学希望者を対象に、卒業予定月まで月額4万円を給付する。応募条件には「小林さんの命日に皆で墓参りにいける人」という内容が含まれており、現在女子学生1人が給付を受けて短大に通っている。

実は、もう1つの事業は「けん玉」の普及活動と、少々遊び心を持たせている。「最高のコミュニケーションツール」としてのけん玉を関連行事に配布するなどの活動を考えているという。

◎小林雅子奨学金の応募受け付けは6月30日まで。メールに氏名、住所、生年月日、応募理由や必要状況、電話番号、メールアドレスを書いてchiisanaomoi@gmail.comへ。問い合わせは「小さな思い」事務局℡3686・3950。