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「寺島なす」使ったお菓子を考えよう!

 墨田区東向島周辺のかつて「寺島」と呼ばれた地区で生産され、近年に復活した「寺島なす」。東向島駅前商店街振興組合が、このナスを使ったお菓子のレシピコンテスト「寺島なす・スイーツ甲子園」を企画し、作品を募集している。7月の授賞式には受賞者の作品を和菓子職人が制作し、試食も予定している。
 「寺島なす」は、江戸時代に近郊農村だった寺島地域で生産されていた江戸野菜(正式名称は「蔓細千成(つるぼそせんなり)」という)。関東大震災で農地が被災者の住居に転用されて消失し、生産が途絶えていたが、2009年に「江戸野菜・伝統野菜研究会」の大竹道茂代表が提案し、三鷹のナス生産農家の協力を得て墨田区立第一寺島小学校で栽培に成功した。地元でも復活した「寺島なす」の広がりを目指し、東向島駅のガード下の花壇に毎年植えられているほか、今年5月には一般家庭でも栽培してもらおうと苗の販売会も行われた。一連の活動の中心となっている阿部敏さん(51)は東向島5丁目で青果店を営み、昨年から江戸川区の農園で市場への流通をめざして生産も始めている。
 こうした動きの中で「寺島なす」を使った銘菓も登場した。2009年から東向島駅前で「菓子遍路 一哲」を営む酒井哲治さん(54)は、「名物のナスを使って菓子を作れないか」という商店街の依頼を受けて、昨年、最中(もなか)「なすがままに」(3個260円)を開発した。特製の「寺島なす」の甘露煮を餡子(あんこ)に混ぜているのが特徴だ。甘露煮は蒸して裏ごししたナスに砂糖を加えて作るもので、他の食材と合わせてもクセがなく、“トロなす”と表される「寺島なす」の滑らかさが控えめに主張する。同店では角切りにした甘露煮の羊羹(ようかん)を黄身餡のどら焼きに入れる、といった使い方もしている。
 「寺島なす・スイーツ甲子園」は、「寺島なす」に関心を寄せてもらいたいと、ナスを使った菓子(スイーツ)のアイデアを募るものだ。野菜を使った菓子作りは難易度が高いと思う人に向けて今月に2回、近隣の学校の調理室で「ふんわり中華饅頭(まんじゅう)」「野菜サブレ」を作る無料の講習会も予定している。優秀作品は、酒井さんが応募者と相談しながら7月21日の授賞式までに制作し、当日試食も行う。「寺島なすを使った夢のある楽しいお菓子で地域活性化につなげたい。多くのアイデアを期待している」と、酒井さんはいう。
 コンテストの応募内容は、ナスを使ったスイーツのイラスト、配合、制作工程を書いて提出(店に持参かファクスなど)。資格は中学生以上(プロも可)。締め切りは7月8日。詳細は「菓子遍路 一哲」電話6657・2962、ファクス6657・2963。