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「墨田ぶらり下町音楽祭」が復活

 十間橋通りに近い墨田区文花1丁目の古民家レストランや職人の仕事場、町会倉庫などをコンサート会場に、参加者が生演奏のはしごを楽しむ「墨田ぶらり下町音楽祭」が5月18日に開かれる。イベントの発案者で運営の中心的役割を果たす「下町音楽祭」ディレクターの渡辺佳代子さん(40)(オーボエ奏者、墨田区文花)が出産のため、昨年は音楽祭自体が開かれなかったが、中止を惜しむ声から2年ぶりに再開する。
 渡辺さんは、大阪芸術大管弦打コースオーボエ専攻を卒業し、1999年から渡欧。ベルギーの音楽院で現代からバロックまで学び、後にバロックオーボエを始める。「墨田ぶらり下町音楽祭」は、留学中の渡辺さんがブリュッセルで見に行った「アルスムジカ(現代音楽祭)」をヒントに、2008年から企画し、地域の協力を得ながら翌年5月に第1回を開催した。各方面の専門分野で活躍するプロによる演奏が、下町の面白い場所で聴けると好評で、11年からは南千住にも波及して毎年10月に銭湯や寺を会場にした「南千住ぶらり下町音楽祭」が開かれるようになった。
 おおらかで優しい雰囲気の渡辺さんは、地域の会場と出演者をつなぐ要の存在だ。運営を手伝う周囲の協力も、彼女の人柄によるところが大きい。それだけに、12年10月に長男を出産した翌年(13年)は、イベントも“育休”となった。その後、オーボエ奏者としては、生後5か月から週2回の音楽教室講師に復帰し、跡見学園女子大ウィンドオーケストラ部の監督兼指揮や単発での演奏会出演などを引き受けてきた。音楽祭については「このまま無くしてしまうことも考えたが、『今年はないの?』と、お客さんやいろんなところから声があり、再開を決めた」という。
 準備は、インターネットを活用して関係者との打ち合わせをこなし、チラシを置くなどの宣伝活動も子供を連れていける範囲に絞って進めている。当日はバロック音楽トリオの一員として出演もするが、「産前より(管楽器で必要な)口周りの筋肉と腹筋が落ちた」ため自分の出番を前回より減らし、リコーダーやチェンバロの共演者との編成を工夫して臨む予定だ。

 【墨田ぶらり下町音楽祭】5月18日、午後2時、3時、4時、5時から各30分。演奏会場は天眞庵(声楽)、スパイスカフェ(チェロ)、黒崎竹信堂(バロック音楽)、押上文花町会倉庫(パーカッション)の4か所。当日のチケットは十間橋ふれあい会館で販売。1日通し券2500円(文花地域在住の70歳以上と小学生は無料)。問い合わせは墨田ぶらり下町音楽祭実行委員会TEL080・3552・4394。