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「マチナカデミアすみだ」が始動

 墨田区で“「生きる力」を共に育む”ことを目的とした、新しい学びの方法を実践する「マチナカデミアすみだ」が、今月5日に旧隅田小学校(墨田区墨田)で開校式を行った。
 「マチナカデミアすみだ」は、同区内で教育関係などの会社を運営する20代から40代の起業家が立ち上げた学びの場だ。地域の様々な場所を“キャンパス”に、考える力や表現力などを養う講座が「あたまデミア」「こころデミア」「からだデミア」「すみだデミア」の4学部に分かれて開かれる。地域や企業の人材がその時々のテーマに沿って講師となり、年齢や組織の枠を超えて学びたい人を迎える。
 豊かな人生経験による知識や知恵、専門的技能といった地域の人材が蓄えている“資源”を教育に活用する取り組みは、実は数年前から学校現場で導入されている。公立小中学校で「一日先生」として外部の人が教壇に立つことが積極的に行われるようになったのは、2006年の教育基本法改正をきっかけとした学習指導要領の改訂(11年)が大きい。「生きる力の育成」を掲げた教育内容を実践するために、地域の連携・協力を仰ぎ、教員以外の人も子供の教育に携わる仕組み作りが進んだ。墨田区では、教育委員会が立ち上げた「学校支援ネットワーク」に登録する協力団体が、学校に授業プログラムを提供する、といった事業が4年前から続いている。
 この「学校支援ネットワーク」の一協力団体だった運営組織、NPO法人「地域コミュニティ研究所CicoLavo(チコラボ)」代表理事の平野豊宏さんが、地域・企業の人材と学校をつなぐ活動を発展的に応用した、多世代が交流できる「マチナカデミア」の原案を考えた。当初は「マチナカレッジ」という仮称で委員会を立ち上げ、開校に先立って開いた8月の体験会で「マチナカデミア」の名称を公表した。
 5日は旧校舎の図書室で開校式が行われ、出席した第一期生を前に、平野さんや墨田区教委の「学校支援ネットワーク」森本芳男事務局長があいさつした。続いて授業内容の“チラ見せ”として、区内の事業所見学や社長インタビューを行う「しごと」講座や学習塾経営者による “夢の発見”講座などが紹介された。この日三男の敬次郎君(6)と“入学”した小菅悟さん(46)(墨田区石原)は、「子供が4人いて、いろいろな人に協力して育ててもらっている。地域にお世話になっているので輪を広げていきたい」と話していた。