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「スポーツ計時」コーナー拡充

 記録を刻む道具の正確さは、スポーツとは切り離せない大切な要素だ。50年前の東京オリンピックで公式計時を担当したセイコーホールディングス(本社・港区)が、墨田区東向島にある「セイコーミュージアム」の「スポーツ計時」の展示内容を拡充し、昨年12月から公開している。体験コーナーも増やし、最新の計時システムや実際の大会で使われる機器について学べる内容だ。
 新たな展示物で注目されるのは、1964年の東京オリンピックでトラック競技に使用された「デジタルストップクロック」だ。陸上短距離走では針を読む機械式(アナログ式)のストップウオッチが使われていたが、この時初めてクオーツによるものが登場し、誤差の出やすかった中長距離走のタイム計測に用いられた。ストップウオッチ型の作動ボタンから送られた信号により本体の数字部分が光る “デジタル”式で、最大9時間59分59秒99まで表示する。当時の先端技術を盛り込み、針を読む煩わしさや誤読を防ぐ画期的な製品だったという。
 展示コーナーでは、このほかにゴール地点を連続撮影した極細画像で順位判定をする装置「フォトフィニッシュシステム」の1991年導入時の機械、陸上競技や水泳の電動計時に使う「スターティングブロック」の実物なども置かれている。これらの装置を使って、陸上100メートル世界記録の「9秒58」を正確に表示させるとプレゼントをもらえる、といった“世界記録に挑戦”体験もできる。
 2020年オリンピックの公式計時は、「オメガ」ブランドを有するスイスのスウォッチグループが担当することが既に東京開催決定の4年前に決まっている。日本の「セイコー」が2度目の東京オリンピックの公式記録にかかわれないのは残念だが、展示を通じて国内の技術が歴史的瞬間を刻む役割を果たしてきたことを知るのは興味深い。
 【セイコーミュージアム】墨田区東向島3の9の7TEL3610・6248、午前10時~午後6時。月曜休館。入館無料(要予約)。