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「ゆすこ〜い」は意外と人気!?

 富士山の頭をした水色の力士「お湯の富士」。ゆるキャラブームに乗って昨年2月に江戸川区の銭湯から登場して以来、着々とファン層が広がっているようだ。
 東京都公衆浴場業生活衛生同業組合江戸川支部では、昨年10月から区内にある約50軒の銭湯をめぐる「ぶらり湯らりスタンプらり〜」を実施し、目標数のスタンプに応じて景品に「お湯の富士」のストラップやぬいぐるみを用意したところ、既に209個の景品が出ているという。このキャラクターを管理している同組合の鴫原和行さん(同区江戸川)の取りまとめによると、4浴場達成でもらえるストラップは昨年12月末現在で172個、女性4人のユニット「まめひも」が歌う銭湯応援ソング「Let’s go 1010!!」が収録されたCDは15浴場達成で12枚が交換された。35浴場を巡って目標スタンプ数を達成した参加者に贈られる非売品のぬいぐるみについては、区内にある7割の浴場を回る必要があるが、既に25個が交換され、中には神戸から参加した人や「孫のために35軒回った」という男性もいるという。親子や“孫とおじいちゃん”といった組み合わせで挑戦する人も多く「これを機会に今まで銭湯に来なかった人がお風呂を体験してほしい」という企画側にとってはうれしい反響だ。
 もっとも、全盛期に比べて3分の1に減ったと言われる都内の銭湯は、スーパー銭湯やスポーツクラブなどに押されて厳しい経営が続く。また、銭湯文化を支える職業の消滅なども関係者にとっては悩ましい問題だ。鴫原さんの経営する「第二寿湯」でも、長年背景画を担当していた絵師が亡くなり、依頼できる先が減っている。背景画専門の絵師は現在都内に2人しか残っておらず、映画看板の絵師などが描く場合もあるという。
 「昔は近所に何軒か銭湯があり、お湯の温度の違いなどで好みの場所を決めることもできた。銭湯文化の魅力を知ってもらうために、発想の転換や新しい試みが必要な時期に来ていると実感する」と鴫原さん。「お湯の富士」に与えられた使命は重大だ。
※スタンプラリーは2月29日まで実施。シートは同組合江戸川支部に加盟する銭湯で配布中。問い合わせは同区産業振興課(電話5662・0523)。「お湯の富士」はツイッターも定期的に更新中。