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「お変わりありませんか」と“みまもり活動”

「お変わりありませんか」と“みまもり活動”

なぎさニュータウン

  高齢者世帯増加に自治会が対応

自宅にこもりがちなので“隊員”との会話が気分転換になるという高齢者も多い

自宅にこもりがちなので“隊員”との会話が気分転換になるという高齢者も多い

 

   近所付き合いが希薄になりがちなマンションでは、住民の高齢化にともなう孤立や孤独死が課題となっているところも少なくない。1324世帯、約3300人の住民のうち3割を高齢者が占める江戸川区南葛西の「なぎさニュータウン」では、自治会が3年前に高齢の住人が互いに支えあう仕組みを始めた。

   「こんにちは、自治会です。お変わりありませんか?」。腕章をつけた女性2人の訪問に高齢の女性が扉を開けて迎える。玄関先で近況報告を交えた10分程度の雑談を交わし、困りごとなどがないかを尋ねる。月に1回の割合で希望者を対象に行う「みまもり活動」は、自治会の高齢者対策部会・見守り活動委員会の「なぎさみまもりたい(隊)員」が、安否確認のための定期訪問をする。現在は22人の“隊員”が約40世帯を毎月訪ねている。

   定期訪問による安否確認の組織化は、2012年10月から開始した。高齢者対策部長の関根昭男さん(72)によると、自治会という立場からどの程度踏み込むか、試行錯誤の中で現在のかたちにたどりついた。隊員となる住民は、玄関より先に入らないことや物を受け取らないなどのルール順守を徹底し、原則として同じ棟内の高齢者を訪問しないように組み合わせにも配慮する。個人情報や訪問内容を記録した台帳は事務所のロッカーに鍵をつけて管理する。

   活動を始めてから、近所の住民が高齢者世帯の安否を意識するといった変化が見られ、親族が「自分たちで見守るから」と前向きな“辞退”に結びつく例も出てきた。マンション棟内で転倒失神し、身元が分からないまま搬送された高齢者の連絡先を救急隊員に伝える、といった例もあった。

   山崎辰彦自治会長によると、自治会の高齢化対策事業は、2012年7月から敷地内のホールで月1回開催する「ふれあいサロン」を皮切りに段階的に進めていった。今では宅配弁当の試食会や料理教室なども開く。課題は自治会員の高齢化や加入者の減少だ。「やり方は変化しても構わないのでやめずに続いてほしい。みまもり活動も様々な年代が参加してくれるとありがたい」と山崎さんは話している。